柊みずうみのシナリオや創作における世界観、用語等についての説明を載せています。
〈注〉世界観や用語に関する説明は、あくまで「柊みずうみのシナリオや創作における」ものです。これが絶対に正解だという訳ではありません。また、個人の趣味で練られたものであるため、本来の意味と異なっていたり、矛盾点や不足点が見受けられることもあるかもしれませんが、もし見つけたとしても受け流していただきますようお願いします。
〈世界事情〉
世界は主に人間が暮らす人間界と、精霊が住まう精霊界の2つに分かれており、2つの世界は互いに均衡を保つことで秩序を維持してきた。2つの世界の均衡が崩れると、両世界に災厄が降りかかり、跋扈した魔物や悪魔によってやがて滅亡すると言われている。
〈精霊〉
自然の力にまつわる魔術を操る、太古より人間と共生関係にある存在。
精霊界で暮らす者も、人間界で暮らす者もいる。
精霊は、自ら己の姿を定めることができ、魔力によってその姿を取った身体を形成する能力を持っている。
かつてはほとんどの人間が無条件で精霊を視認できたが、今やそうして精霊を視認できる人間はあまり多くなく、古くからの精霊信仰の文化は失われつつある。(現在世界で知られている精霊信仰の文化の大半は、教会が新たに生み出した亜流のものである)
一定以上の魔力を持つ人間と契約を結ぶことにより、契約者にその力を貸すことができる。
多くの精霊は1つの属性のみを司るが、複数の属性を操る精霊も存在する。
寿命は人間に比べて非常に長く、1000年以上生きる者もいる。
なお、精霊は人間同様食事や睡眠を摂ることもできるが、しなくとも死ぬことはない。
〈悪魔〉
世界に蔓延る負のエネルギーに精神を汚染され、狂気に堕ちた精霊の成れの果て。
加護の存在しない人間界において特に生まれやすい。
その姿は人間にも無条件で視認可能であり、他の生命を食らうことで力を増幅する。
精霊同様に魔術を操ることもでき、属性は精霊の頃のものと同じになる。
また、悪魔堕ちの途中にある精霊のことを“悪霊”と呼ぶ。悪霊は致死量のダメージを負うことで浄化され、精霊に戻ることができる。しかし、一度悪魔と化してしまった者は、奇跡的なことがない限り純粋な精霊に戻ることは不可能となる。
〈人間界〉
人間を筆頭に動植物が生態系を織りなす世界。
大地の奥深くに竜脈が胎動し、様々なエネルギーが世界を巡っている。
かつては人間も精霊を視認でき、精霊信仰の文化が根強かったが、現在は信仰が薄れつつある。
ほとんどの人間が多かれ少なかれ魔力を備えており、特に多くの魔力を持つ者は精霊と契約を結んでいることもある。
加護が無い故に負のエネルギーが蔓延しやすく、悪霊や悪魔が生まれやすい。
〈精霊界〉
精霊が生まれ暮らす世界。人間界同様に様々なエネルギーが竜脈を巡り、人間界において架空の存在とされる動植物が生態系を織りなしている。
精霊王とその臣下の4大精霊竜によって加護を展開しており、負のエネルギーが滲み出ないよう保たれている。
各属性の精霊が暮らす村と、属性関係なく様々な精霊が集う中央都市が存在する。中央都市のさらに中心にそびえる大樹の頂に、精霊王達が住まう王宮が建てられている。
なお、2つの世界を行き来する際には、これらの世界を繋ぐ「魔霊門」を通る必要がある。
〈精霊との契約〉
特定の手順を踏むことで、人間は精霊と契約を交わし、その力を借りることができる。契約にあたって特別な道具等は不要で、一定の魔力さえあればいつでもどこででも契約は行える。
契約できる精霊のレベル、属性などは契約者の魔力に依存する。
契約の内容は任意で決めることができるが、精霊が契約以上の力を貸してくれることはまずない。契約内容は大きく3種類に分けられる。
・魔術契約
精霊が使用できる魔術を契約者に提供する。
術に使用する魔力は契約者本人のものを用いるため、威力や使用回数などは契約者の魔力に大きく依存する。最も手軽で契約者の負担も少ない契約。
なお、稀に精霊が契約者に魔術に加えて加護を授けることもある。
・召喚契約
契約した精霊の召喚・実体化を可能にする。
呼び出した精霊が術を使うこともでき、精霊と契約者の親和性が高いほど、長時間の実体化や高度な術の使用が可能。契約者の素質の問題が大きく、召喚契約を結べる人材は希少。
・憑依契約
自身に精霊を憑依させ、契約者の身体能力の上昇と高度な魔術の使用を可能にする。
かつては最も多い契約方法だったが、契約者にかかる負担が大きく、精霊と深く繋がることによる精神異常の危険を伴うため、現在は聖北教会により禁忌とされる。
一度契約を結ぶと、基本的に精霊か契約者のどちらかが死ぬまで解消できないが、非常に困難かつ危険を伴う儀式によって契約解消を行うこともできる。
なお、悪魔とも同様にこれらの契約を結ぶことができるが、悪魔との契約には大きな身体的・精神的代償が生じ、契約した悪魔が死ぬと契約者も命を落とす。悪魔との契約は全て禁忌。
〈“崩壊”〉
5年前に精霊界と人間界で起きた事件。
あるとき、ひとりの精霊がいた。彼は各地の精霊に非常に慕われており、また、人間界と精霊界の2つの世界を繋ぐ架け橋になろうと、人間とも積極的に交流を深めていた。
しかし、交流のために精霊界に招待した者に紛れて、よからぬ思いを抱いた人間が入り込んだ。その者はかつて悪魔に大切な人を殺されており、無念から全ての悪魔、ひいてはその元となる精霊達を憎むようになり、復讐を企てて精霊達を皆殺しにしようとした。
人間は精霊達を捕らえ、無惨な方法で殺していった。凄惨な光景が生み出した負のエネルギーにより、彼は悪魔に成り果て、そのままその人間を食い殺した。だが、元より強い力の持ち主であったその悪魔はそれだけでは飽き足らず、狂気に溺れた力を精霊界中で振りまいた。
悪魔が力を振るうほど、精霊界には負のエネルギーが充満した。飽和寸前まで溜まったそれは、魔霊門を通じ人間界にも流れ込んだ。負のエネルギーが増加した人間界では大量の悪霊、悪魔が生み出され、それらは人間達へ多大な被害をもたらした。
精霊界と人間界に充満した負のエネルギーは、やがて、全てを飲み込もうと次元の裂け目を生み出した。このままでは両世界共に飲み込まれてしまう。その最悪の結末は、幸いにも1人の人間と精霊が発動した魔術によって阻止され、元凶となった悪魔は多数の犠牲を払いながら封印された。
辛うじて滅亡を免れた両世界だったが、世界同士の均衡は大きく崩れたままになっている。これ以降、精霊界において人間との契約には厳しい規則が設けられるようになり、精霊王と4大精霊竜はより強力な加護を展開し、精霊界の安定と悪魔の封印を続けている。
しかし、強力な封印状態にあっても悪魔の力は収まることなく蠢き、負のエネルギーとして竜脈に流れ込んでいる。
生み出された負のエネルギーはほとんどが加護の無い人間界に流れ込み、人間界ではより一層悪魔が生まれやすくなった。
人間たちは悪魔の脅威に怯え、次第に治安は悪化してゆく。減りゆく資源を巡り、やがて人間同士の争いも始まる。戦場で散る人々や精霊たちの無念は、さらなる負のエネルギーを生み出す。悪循環を繰り返す人間界に、負のエネルギーは少しづつ、しかし確実にたまり続けている。