第2回「仮面の鑑定」:ヒントシナリオ感想まとめ


 CardWirth企画「仮面の鑑定」(第2回)において、鑑定のヒントになるとしてTwitter上で紹介されたシナリオの感想をまとめてあります。


『蒼海に眠る暴威の牙』/ 無名し様

 

「サメとはなんだったのか」
 この台詞が全てを物語っておりました。チェーンソー召喚するサメなんて聞いたこと無いです(真顔)。PCの心の声を代弁するような参謀のツッコミが最後までキレッキレで面白かったです。
 あと遺跡を見つけた瞬間のげんなりっぷりに吹きました。めっちゃ嫌そうですね君ら……とはいえCWにおける古代の遺産の厄介さは機工の兵士で十分知ってますからね。何てモノを遺してくれちゃってるんですか古代人さま……しかし無事大変な戦闘を乗り越えられたので、当初よりもさらにすっきり爽やかな気持ちでバカンスを堪能できそうです。

 

 

〇『21gの証明と切り裂きジャックの明晰夢』/ 水色猫様


 昔1回プレイしたはずなのですが見事に忘れていたので新鮮な気持ちでプレイ出来ました。わあいPCが大変な目に! ぼくPCが大変な目に遭うシナリオ大好き!!
 ……というのは置いておき、機械混じりのアンデッドに、悲惨な境遇と目的のために狂ってしまったネクロマンサーと、どこか某終わった世界の後日談なTRPGを思い出しました。せっかく死霊術士PCいるからと最後の選択ではアレを選択しましたが、後々の描写を見ると本当にそれで良かったのか分からなくなりますね……世界の理と個人の幸福と、どちらをとるかは常に悩むものです。

 

 

〇『閃鋭【枠の中】』/ かがち様


 去年の仮面企画でもプレイしましたが復習のため再プレイ。去年はクリアするまでとんでもない時間が掛かったのですが、攻略法を知っていたこともあり今回はスムーズに撃破。同作者様の他の高レベル戦闘シナをやった後だと、この戦闘がいかにまだマシな方かが伺えます。泥の星瓦礫の王その他諸々まだ倒せてません!!!
 かがち様のシナリオは本当に文章とBGMのチョイスが大好きで……作中の事情やNPCについて、語られることは決して多くないですが、その裏にあるものをしっかりと感じ取れるところがステキだと思います。狂気に囚われてしまっても、剣を振るうときは至って正気だったあの剣士は、本当に魂の髄まで剣士であったのだろうと思います。

 

 

〇『ティラノール自治領へ』/ K.W様


 めちゃめちゃ崇められますね!! 英雄だって!! しかしPC達の方は、どんなに高レベルで巷で噂の英雄と謳われていても、いろんなことに対しちょっと余裕があること以外は至って普通の冒険者なところが微笑ましいものです。
 割と気軽な気持ちで参加した闘技大会がやばい悲劇に早変わり……最初の参謀とマスターの会話で察するべきでしたか……! 英雄殺し達の結界が凄まじすぎてゲージ1本分削れるかどうかというくらいでしたが、彼等と再び相見えることはあるのか……! 英雄殺しとの次なる邂逅が楽しみです。

 

 

〇『絆の森』/ 露子様


 たくさんの冒険者とお話できて楽しいです!皆個性豊かだなあ……中には現代世界からの訪問者もいるようで。各キャラの境遇や冒険のお話はどれも聞いててドキドキわくわくします。
 擬音鳥ちゃんの召喚スキル欲しさに最後はひたすら絆の金貨を集めまくりました。カドゥさんにはめちゃめちゃ呆れられましたが、可愛すぎたので仕方ない。銀貨と銅貨の両替機能ありがたやでした!

 

 

〇『麦穂の守人』/ ラ・フランス様


 演出すごっ!? そしてまさかの時間もといターン制限……探索の判定と謎解きはなんとか突破しましたが、最後の最後の救出判定が失敗したのは悔しかったです。クライマックスはいつも「無」……冒険者の冒険がいつでも派手で爽快でカタルシスの感じられるものではないことは確かですが、それでも何もしないよりはずっとずっと良いということもたくさんあるのではないでしょうか。私自身も、過去の真実から目を背けず、しっかりと受け止めて次に活かせるような人になりたいものです。

 

 

〇『幽霊屋敷』/ オサールでござ~る様


 さくっとできるシンプルな依頼。PCのレベルが上がるとだんだん派手で壮大な依頼に行きがちですが、実際にPC達が生きる世界で冒険者が受けている依頼の大半はこんな感じなんだろうなあと思います。
 冒険者なら知っていることも、街から出ない人には分からなかったりするんだなあということも再実感しました。ゴーストが居着くようになってしまった一等地の屋敷……過去の住人に一体何が……(ガクブル)自分達の知識で依頼人を助けられたという感じがよく伝わる、良い依頼でした。

 

 

〇『瑠璃色のツバメ』/ 禄山様


 過去のプレイでは探索100%が達成できなかったので今回を機に再挑戦。開幕の戦士は寝てるだけ宣言はやはり抱腹ものです。自警団直々の依頼ということで神経ピリピリ……ではあるのですが時々理性より好奇心が勝ってしまう参謀が可愛いです。
 いっそ奇跡のように集めた情報が繋がり結びつき真相が紡ぎ出されていく爽快さ……!これも瑠璃色のツバメの意思が成せる技……非常にステキな結末でした。そしてまたしても100%達成ならず……!! ぐぐ……またいつか再々挑戦しなくては……!!

 

 

〇『#7月7日はポニテの日』/ 生野菜サラダ様


 皆ポニーテールになれェェェーーーーー!!! ダイナミックな勢いが好きです。ポニテかわいいですよね。何気に髪色クーポン対応してるみたいですごっ! ってなりました。ポニテへの愛が凄まじい……
 _1から順にポニテにされて絶叫モノでしたが、最初からポニテのPCがポニテにされて叫んでいるのはシュールオブシュールで抱腹ものでした。ああそれにしてもポニテかわいい!!

 

 

〇『宵闇の街ヴァロ』/ 刻人様


 とにかく美しく幻想的な街。訪れる度に今日は【〇〇】の日というところが変わるのもステキです。街にいる方々も皆幻想世界に生きる者という感じで、無邪気で純粋な可愛らしい方々ばかりです。職人魚さんのふわふわ感が癒し。
 販売されている技能やアイテムもとても綺麗で……と思ったらときどき「何故!!!??」とツッコミを入れたくなるものも。あとハイヒールを見るとどうしても同作者様によるあのシナリオを思い出しますね。幻想的な世界に浸りつつ、時折こうしてふふっと笑えるところがとても良いなあと思います。

 

 

〇『華麗なる晩餐』/ さとり様


 王道を貫くか、面白さを取るか……! 限られた予算で美味しいカレーの材料を揃えるシナリオ。なんだかヤバそうな選択肢があるとついつい好奇心が疼いちゃいますね。しかしまさか日頃の買い物と同じようなことをCWでやることになるとは。そして娘さん、分かる……分かるぞその気持ち……!!
 同じ材料でもお店によって値段が違うのが重要なポイントでした。上手く買えば予算内でしっかりと具の揃ったカレーが食べられます。悩んだ果てに私は王道を貫きましたが、他のパターンだとどうなるのかも大変気になります。今度はトウガラシとかトウガラシとかトウガラシとか入れてみようかな。

 

 

〇『占札綴途』/ 三白々様


 ちょうど私がやってるスマホゲームにもタロットモチーフのキャラクター達が出ていたので、解説文を読みながらそうだそうだこんな感じだったなと楽しませていただきました。タロットって本当にいろいろな意味がありますよね。ときには逆位置の方が良さげな意味だったりもしますし。そんな中からPCにぴったりなものが見つかると、なんだか嬉しくなります。
 ところであそこにいた″彼″は何故メイド服を……? そして彼が気に掛けている復讐者とは……? 彼とその仲間のことも非常に気になります……!

 

 

〇『ゆりかご』/ あだぷす様


 ユハくんかわいいですね! 白い髪が無垢な感じで大変良きです。そして終盤に語られる衝撃の事実……逆なんかーーい!! たったひとりで遺されたユーリィお兄さんは、「好きにしたら良い」と言ったときに一体何を思っていたのでしょう……
 最終的にはユハくんを自宿にウェルカムしました。起きたらユハくんがいなくなったらどうしようと覚悟を決めたりしましたが、心に優しいエンドでほっとしました。

 

 

〇『ほしをわたるふね』/ サンガツ様


 乗客のみならず列車も含めて死んだ「もの」しかいない場所……乗客さん達の語る思い出はどこか悲しかったり切なかったりするものが多く、何かと考えさせられる感じがありました。「もう会えなくなってしまった人はいるか」という問いかけは、選抜されたPCの設定を思うとなかなか胸に来るものがありました。スカイクォーツ……ヴッッ(選抜PCが登場する自作シナリオのアレコレを思い出して嗚咽)
 そうした切なさを感じさせつつも、年齢も出身も多種多様な乗客さんとの交流と、窓から見える広い星空は、どこか世界の広さも感じさせるものでした。夢から覚めたPCがこのことを覚えているかは分かりませんが、そのPCが感じたことが1つでも心の奥底に残っていると良いなあ……と思います。

 

 

〇『盲目のアルム』/ 黒狐ぬん様


 PCが諸事情で一時的に盲目になるシナリオは何度か見ましたが、最初から盲目というパターンは初めて見ました。がっつり冒険者、というよりは、諸事情で宿にお世話になっている一般客以上冒険者未満といった感じがしっくりくるかなと思いました。
 最後の主人公の「もしも自分の目が見えるようになったら」という問い掛けに対し、相方の反応が無いあたりが非常に妄想の捗るところです。進展か、保守か。びっくりするほど甲斐甲斐しく世話してくれる相方の願いは果たして一体どちらなのか、ものすごく気になるシナリオでした。

 

 

〇『旅立つ君に餞別を』/ キア様


 私の知ってるお別れ会と大分違う!!! というのは置いておいて、なかなかにSAN値がピンチになりそうな展開でした。宿を離れる方のPCにはもれなく「トラウマ:人間」や「人間不信」のクーポンが付きそうです。うん、こっわ。
 餞別を贈る側が発狂でもしてるのかとも思いましたが、割とそうでもなさそうでそれが一層恐ろしかったです……しかし案外盗賊ギルドや悪役宿だとこういった感じもあるのかもしれないと思いました。何はともあれ、絶対に忘れられない「最後の晩餐」になったことは間違いないですね。

 

 

〇『分かてなかった傷跡』/ 烏間鈴女様


 前々から大好きな読み物シナリオです。相手のことが大切だから傷を負って欲しくない主人公と、相手のことが大切だから傷を分かち合いたい相方と……ああ~ッ!! このもどかしいすれ違い!!! 主人公が人間で相方が精霊……もとい人外なコンビでプレイしたので、相方が物申すのもそりゃそうだという気持ちになりました。
 本シナリオではなかなか頑固な主人公が、少しでも相方と傷を分かち合うようになる日は来るのか……!今後のシナリオプレイにおけるPCの行動や選択に大きな影響を与えそうなシナリオです。

 

 

〇『天空には楽園があった』/ ている様


 こちらも以前プレイしたときには探索100%達成ならずだったので改めてリトライ。前にやったときには辿り着けなかった場所も探索できて、初めて知った事実や情報には終始驚かされました。長寿かつ身体に鉱物を宿すという、私達とは大分異なるファンタジックな特徴を持った種族が、私達と似た技術を使っていたりしたというのは、何とも不思議な気持ちです。自分のパーティに精霊がいることもあって、人工精霊というワードには大いに反応してしまいました。本当に人工的に生み出した精霊なのか、はたまた精霊ではなく私達が言うところのAIのようなものを人工精霊と名付けただけなのか……この部分だけでもいろいろ想像が滾るものです。とてと気になります……!
 あれほど高度で理想的な空間を生み出せる種族でも、最後は得体の知れない病でほとんどいなくなってしまったというところに、作り上げた楽園の儚さを感じました。どんなに支配し完璧に管理しようとしても、どこかに亀裂が入った瞬間自然の力はそれを優に超えていくんだなということをしみじみと思います。仲間の滅亡に責任を感じていそうだったアーケンさんのことが何となく心配でしたが、最後に見せた彼の意志の強さに感激しました。アーケンさん素敵です! また困ったことがあったらいつでも依頼を出してください!!

 

 

〇『祭り囃子の都市』/ 柳の灯様


 追っかけられる系ジャパニーズホラーは怖い!!!! 自分が追っかけられた訳ではないですが、急に未知の場所に入り込んでしまったところや、少女の足がひとりでに動いたところの描写に特にホラー味を感じました。
 まさかのPCが殺人鬼の霊とされている可能性。悪役PCだったので殺人鬼っていうのはあながち間違っちゃいませんが。物騒どころの騒ぎじゃない獲物を構えた子供達……の、霊なんでしょうかアレは。シルエットだけなので霊なのか生きた人間なのかは謎です……と思って2回目突入してみたら新たな事実が発覚しました。なるほどイケニエ制度なんですね!物騒だな!! ですがいろいろ気になっていたところが繋がってスッキリしました。誰かを助けるための殺しの依頼……お人好しな悪役PCにぴったりな依頼でした。

 

 

〇『月がきれいなので』/ 羽宵様


 悪いこと言わないからこいつはやめとけNPCさん!!!!(主人公PCのアレコレを思い出しながら)バリバリの悪役PCを主人公にしたので最終的にNPCさんは物言わぬ肉塊になりました……しかしNPCさんの収集した情報の量、もといクーポンの対応量が凄まじいです。なかなかに盲目的で狂信気味なNPCさんのコメントも素晴らしいフレーバーでした。
 自分を尾行してるけど敵意を向けてこない相手ということでちょっと興味ありそうだったけど、結局普通に殺されることが怖いNPCさんを見て急速に萎えるPCの反応が、非常にステキな悪役っぷりを醸し出していました。NPCを肉塊にしないルートだとどんなPC像になるのでしょうか……他のクーポンを付けたPCで、何度も繰り返しやってみたくなるシナリオでした。